美肌成分の代名詞とも言える「ビタミンC」。美白、毛穴ケア、ハリ対策など、マルチな効果が期待できる成分として、化粧水から美容液まで数多くの製品に配合されています。
しかし、成分表示を見ると「アスコルビン酸」「リン酸アスコルビルMg」「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」など、様々な名称が並んでいて混乱したことはありませんか?
実は、化粧品に配合されるビタミンCには、大きく分けて「ピュアビタミンC」と「ビタミンC誘導体」の2つのタイプがあり、さらに誘導体の中にも多くの種類が存在します。それぞれ特徴や得意分野が異なるため、自分の目的に合わせて選ぶことが重要です。
この記事では、ビタミンCの種類による違いと、効果的な選び方について科学的な視点から解説します。
ビタミンCに期待できるマルチな美容効果
種類について解説する前に、ビタミンCが持つ基本的な美容効果をおさらいしましょう。主な作用は以下の3つです。
1. 強力な抗酸化作用(老化予防)
紫外線やストレスによって体内で発生する「活性酸素」は、肌細胞を酸化(サビ)させ、シミ、シワ、たるみなどの老化を引き起こす大きな原因です。ビタミンCは優れた抗酸化作用を持ち、自らが酸化されることで活性酸素を除去し、肌をダメージから守ります。
2. メラニン生成抑制・還元作用(美白・くすみケア)
シミのもととなるメラニン色素を作り出す酵素(チロシナーゼ)の働きを阻害し、メラニンの生成を抑えます(予防)。さらに、すでにできてしまった黒色メラニンを、色が薄い淡色メラニンに還元する働きもあります(薄くする)。
3. コラーゲン産生促進・皮脂抑制作用(ハリ・毛穴ケア)
肌のハリを支えるコラーゲンが作られる過程で、ビタミンCは補酵素として必須の働きをします。また、過剰な皮脂分泌を抑制する作用もあり、毛穴の開きや詰まり、ニキビの予防にも役立ちます。
「ピュアビタミンC」と「ビタミンC誘導体」の決定的な違い
では、2つのタイプの違いを見ていきましょう。
ピュアビタミンC(活性型ビタミンC)
- 成分表示名: アスコルビン酸
- 特徴: ビタミンCそのものです。肌に塗布した瞬間からビタミンCとして直接働きます。
- メリット: 即効性が高く、効果実感が早い傾向があります。高濃度配合の製品が多いです。
- デメリット: 非常に不安定で、光、熱、空気に触れるとすぐに酸化して効果を失ってしまいます。また、水に溶かすと強い酸性を示すため、肌への刺激(ピリピリ感)を感じやすい場合があります。肌への浸透性もあまり高くありません。
ビタミンC誘導体
- 成分表示名: 〇〇アスコルビル〇〇(例:リン酸アスコルビルMgなど多数)
- 特徴: 不安定なピュアビタミンCの化学構造の一部を変化させ、安定性を高めたり、肌への浸透性を良くしたりした成分です。肌内部(角質層)に入った後、体内の酵素によってピュアビタミンCに変換されて効果を発揮します。
- メリット: 酸化しにくく安定性が高いため、化粧品に配合しやすいです。ピュアビタミンCに比べて刺激が少なく、敏感肌でも使いやすいものが多いです。
- デメリット: 肌の中で変換されるプロセスが必要なため、ピュアビタミンCに比べると効果の発現は穏やかと言われています。
目的別!ビタミンC誘導体の主要な種類と選び方
ビタミンC誘導体は、その性質によってさらに3つのタイプに分けられます。
1. 水溶性ビタミンC誘導体(さっぱり・皮脂ケア向き)
- 代表的な成分: リン酸アスコルビルMg(APM)、リン酸アスコルビルNa(APS)など
- 特徴: 水に溶けやすく、さらっとした化粧水や美容液によく使われます。即効性があり、皮脂抑制効果が高いのが特徴です。
- おすすめの肌: オイリー肌、ニキビが気になる肌、さっぱりした使用感が好きな方。
2. 油溶性(脂溶性)ビタミンC誘導体(しっとり・乾燥肌向き)
- 代表的な成分: テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP)など
- 特徴: 油に溶けやすい性質を持ちます。クリームやオイル状の美容液に配合されます。皮脂膜となじみやすく、ゆっくりと角質層の奥へ浸透していくため持続性が高いのが特徴です。刺激が少なく、保湿力もあります。
- おすすめの肌: 乾燥肌、敏感肌、しっとりした使用感が好きな方。
3. 両親媒性(新型)ビタミンC誘導体(高浸透・エイジングケア向き)
- 代表的な成分: パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS/アップス)など
- 特徴: 水にも油にもなじむ性質(両親媒性)を持たせた進化型です。水溶性の即効性と油溶性の浸透力・持続性を兼ね備えており、従来の誘導体の数十倍〜百倍の浸透力があるとも言われます。真皮のコラーゲン産生に働きかける力も強いとされています。
- おすすめの肌: ハリ不足や毛穴たるみが気になる方、より高い効果を求める方。(※ただし、他の誘導体よりやや安定性が低く、高価な傾向があります)
まとめ:自分の肌に合う「ビタミンC」を見つけよう
- 即効性・ガツンとした効果なら: 高濃度ピュアビタミンC(※刺激と保管方法に注意)
- 皮脂テカリ・ニキビケアなら: 水溶性ビタミンC誘導体
- 乾燥肌・敏感肌なら: 油溶性ビタミンC誘導体
- ハリ・毛穴エイジングケアなら: 両親媒性ビタミンC誘導体(APPSなど)
一口にビタミンC美容液と言っても、その中身は千差万別です。自分の肌質と悩みに合わせて最適な種類を選ぶことで、ビタミンCが持つ素晴らしい美肌効果を最大限に引き出しましょう。


